ETF

REIT-ETF

過去の記事で不動産投資には、1)物件を購入する直接投資、2)REIT、3)REITファンド・REIT-ETFがあると解説しました。
この記事ではその中でも、REIT-ETFについて取り上げます。

REIT-ETFとは

おさらいですが、そもそもREIT(リート)とは、Real Estate Investment Trustの略で、不動産投資信託です。不動産投資法人が、一般の投資家から集めた資金で、住宅やオフィスビル、商業施設、物流施設、ホテルなどの不動産を購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品です。REITは証券取引所に上場しています。日本の不動産に投資するJ-REITと海外REITがありますが、現状は日本から海外REITに直接投資する方法は難しいので、投資信託や今回紹介するETFを利用する必要があります。

REIT–ETFとは

ETF(上場投資信託)は証券取引所に上場している投資信託で、リアルタイムで売買できる証券化された投資信託と考えてよいです。そのETFの投資先は、株式や金、債券など様々ですが、REITに投資できるものも存在します。これをREIT-ETFと呼びます。図式化すると下のような感じ。

REITファンドとREIT-ETFの違い

REITファンドとREIT-ETFは似ていていますが、どこに違いがあるのか見ていきましょう。

流動性

REITファンドはそもそも頻繁に売買するものではありません。信託財産留保額という、解約手数料が設定されており、0.2~0.3%程度なのでそれほど大きくないですが、無駄なコストが発生します。
REIT-ETFは株式と同じ感じでリアルタイムで売買が行えます。

運用方針

REITファンドはアクティブ運用で、ファンドマネージャーの裁量で運用されています。
一方、REIT-ETFの多くは指数連動で運用されています。日本の場合は「東証REIT指数」が使われることが多いです。

信託報酬

REIT-ETFは指数連動でのインデックス運用なので、REITファンドに比べて信託報酬が安いです。REITファンドは1.0~1.5%程度ですが、REIT-ETFは、国内で0.16~0.25%、海外ETFは0.13~0.6%程度です。

分配金の決め方

REITファンドは収益が落ちたとしても投資家を失望させないために、積立金を切り崩して高い分配金を維持することがあります。この運用を誤ると財務状況が悪化し、ファンド自体が破綻するリスクがあります。
REIT-ETFは、基本的には収益以上の分配金を支払うことはないので、安全性は高いですが、REITファンドよりも相対的に分配金は低めです。

リスク・リターンは、REITファンド > REIT-ETFと考えてよいと思います。

主要な国内外REIT-ETF一覧

国内外の主要なREIT-ETFを紹介します。

銘柄名 ティッカー エリア 費用
比率
(%)
分配
利回り
(%)
5年
騰落率
(%)
iシェアーズ米国不動産ETF IYR 米国 0.42 3.28 31.82
SPDRダウ・ジョーンズREIT ETF RWR 米国 0.25 4.11 8.86
不動産セレクト セクターSPDR ファンド XLRE 米国 0.13 3.15 26.13
SPDRダウ・ジョーンズ・インターナショナル・リアルエステートETF RWX グローバル 0.59 11.10 -5.23
iシェアーズ先進国<除く米国>REIT ETF IFGL 先進国 0.48 8.67 0.48
NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信 1343 日本 0.17 3.93 -1.91
iシェアーズ・コア Jリート ETF 1476 日本 0.176 4.05 0.76

 

リアルタイムチャート


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日本のETFはウィジェットで表示できないため、海外ETFのみです。

各ETFセクター

各ETFがどんな不動産に投資しているか見ていきます。

iシェアーズ米国不動産ETF(IYR)

iシェアーズ 米国不動産 ETF(iShares US Real Estate ETF)はDow Jones U.S. Real Estate Indexを対象指数とし、対象株価指数に連動する投資成果を目指している。同指数は米国株式市場の不動産部門のパフォーマンスを測定し、不動産所有・開発及び不動産投資信託(REIT)等会社を含む。同ファンドは同指数に含まれる証券の代表見本へ投資し、投資プロファイルを同指数に似ている。同ファンドは指数にある株式の全部を保有するとは限らない。同ファンドの投資顧問はBlackRock Fund Advisors(BFA)である。

 セクター

ファクトシート上では、特殊用途でまとめられてしまっていますが、中身は無線通信インフラ、データセンター、物流施設、等が上位に来ているようです。

SPDRダウ・ジョーンズREIT ETF(RWR)

SPDR ダウ・ジョーンズ REIT ETF(SPDR Dow Jones REIT ETF)はDow Jones U.S. Select REIT Index(同指数)のリターンと特性に連動することを目指している。同指数は商業用不動産の運営・所有を行うチャーターを有する会社、並びに1960年不動産投資信託法に基づいて運営する会社を含む。REIT Indexに含まれる各不動産投資信託は浮動株調整後時価総額で加重される。各債券は自らの達成可能な市場パフォーマンスを反映するように加重され、投資家の入手できる債権を反映する。同ファンドは地域的ショッピングモール、アパート、ヘルスケア、オフィス、ストリップセンター、産業用セルフストレージ、ホテル、総合ホテル、総合・混合産業施設・オフィス、プレハブ住宅及び工場直販店などの分野に投資する。SSgA Funds Management, Inc.は同ファンドの投資マネージャー。

 セクター

ファクトシート上では産業とオフィスがまとめられてしまっていますが、上位は物流施設、データセンター、倉庫となっているようです。

不動産セレクト セクターSPDR ファンド(XLRE)

不動産セレクト・セクターSPDRファンド(Real Estate Select Sector SPDR Fund)はS&P不動産セレクト・セクター指数の値動きと利回り(手数料および経費控除前)に概ね連動する投資成果を上げることを目標としている。

セクター

ファクトシートにセクター比率がありませんでした。保有銘柄をざっくり見てみると、インフラ、小売、住居が上位3位で、オフィスはかなり少なめです。インフラの中でも無線通信に注力しているようです。

SPDRダウ・ジョーンズ・インターナショナル・リアルエステートETF(RWX)

SPDR ダウ・ジョーンズ・インターナショナル・リアル・エステート ETF(SPDR Dow Jones International Real Estate ETF)は世界(米国を除く)不動産市場に基づくダウ・ジョーンズ・グローバル(米国を除く)セレクト不動産証券指数の株価・配当利回りの実績との連動を目的としている。同指数は浮動株調整の市場時価総額指数で、米国を除く先進国・新興国で公的に取引される不動産証券の実績を測定するために設計されている。同ファンドの投資顧問はSSgA Funds Management, Inc.である。

 

 国別

日本の比率が30%近いです。これを知らずにJ-REITにも投資している場合は、想定以上に日本比率が大きくなってしまいます。

 セクター

産業とオフィスが一緒になってしまっていて詳細不明ですが、日本比率が高い分、オフィスの比率が高めになっているはずです。また、保有銘柄の上位はREITではなく、不動産株が多いようです。

iシェアーズ先進国<除く米国>REIT ETF(IFGL)

iシェアーズ 先進国<除く米国> REIT ETF(iShares International Developed Real Estate ETF)は、FTSE EPRA/NAREIT 先進国(除く米国)不動産インデックス(以下、「当インデックス」)の価格および利回り実績と同等水準の投資成果(報酬および経費控除前)を目指している。

 

 セクター

保有銘柄はREITではなく、不動産株が中心となっています。日本なら、三菱地所、三井不動産といった会社が買われています。

NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(1343)

東証REIT指数に採用されている銘柄または採用が決定された銘柄の不動産投資信託証券にのみ投資を行う。信託財産中に占める個別銘柄の口数の比率を対象指数における個別銘柄の時価総額構成比率から算出される比率に相当する比率に維持することを目的とした運用を行い、同指数に連動する投資成果を目指す。

セクター

複合・総合型が多いので詳細不明ですが、下の方に東証REIT指数のセクター比率を掲載しています。それと同じ比率になっているはずです。

iシェアーズ・コア Jリート ETF(1476)

iシェアーズ・コア Jリート ETFは東京証券取引所に上場している不動産投資信託(Jリート)の全銘柄を対象とした時価総額加重型の指数、「東証REIT指数」への連動を目指す。

ファクトシートに情報がないですが、「NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信」と同様に東証REIT指数に連動しているので、セクター比率も同じはずです。参考までに、東証REIT指数のセクターは以下の通り。

東証REIT指数 セクター

こうして見ると、日本人がいかに都心のオフィスに密集して仕事をしているかが分かりますね。世界的に見てもこれだけオフィス比率が高いのは異常です。その結果、オフィス賃料も高くなっていて、その賃料は不動産会社やJ-REIT投資法人、あるいはグローバルREIT-ETFの投資家にまで回っているということです。日本のオジサンたちはテレワークが苦手なので、コロナ終息後は比較的早期にオフィス回帰すると個人的には予想しています。

まとめ

米国REIT-ETF(IYR、RWR、XLRE)とJ-REIT-ETFの分配利回りと騰落率は、米国株の高配当株ETFと大体同じです。

米国以外の海外REIT-ETF(RWX、IFGL)は、中身はREITというよりは不動産株が多いようです。分配利回りは10%前後と高いです。日本比率が30%程度あることは認識しておく必要があります。

インカムゲイン目当てで購入するのであれば、米国以外の海外REIT-ETF(RWX、IFGL)を買って、分配金はどんどん再投資して、長期間保有するのが良いかなと思います。不動産バブルの時にエントリーするのは避けたいところです。

米国や日本のJ-REIT-ETFはどうかというと、それよりはSPYDのような米国株高配当ETFを買った方が良いかなと個人的には思います。米国株高配当ETFの方が、セクター分散が効いていて、かつ同等以上のインカムゲインを期待できるし、長期的にはキャピタルゲインも見込めると思います。持続的に成長する可能性のある企業とは異なり、不動産は値上がりしてもいずれ限界を迎えてバブルが弾けます。

そうするとREIT-ETFの使い道はあるのかと思えてきますが、景気サイクルを読んで不動産セクターが安い時にREIT-ETFを買って、不動産バブルが来た頃に売るという使い方はあり得ますが、上級者向けの裁量トレードになってきます。

 

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クロノ レイ
クロノ レイ
ミレニアル世代 / 現役会社員:東証一部上場企業勤務。コーポレートガバナンス、リスクマネジメント関連業務に従事 / 投資歴7年くらい:特別な才能や知識があるわけではないけれどボチボチ増やしています / 心理学修士 (2020年9月現在、法人設立、不動産事業の準備などで多忙につき、ブログ更新頻度は激減します。年末から来年年初くらいには落ち着くと思いますので、その辺の話も記事にさせて頂きます。)